【Slogan Silicon Valley Treck 5日目 〜Bilingual + Bicultural Management〜
午前中は、「シリコンバレーに大学を作ろう」のShort Term Programの皆さんとのジョイントセッション。ChatoworkのCEO山本氏が、自身の生い立ちから、インターネットに興味を持ったきっかけ、そしてシリコンバレーでビジネスを展開するまでの道のりを、具体的例を用いて語ってくださりました。
Chatworkはビジネス版LINEと言われるアプリケーションであり、チャットを利用してタスク管理の簡素化・効率化し、従来のメール中心型コミュニケーションからの脱却を可能にするプラットフォームです。
シリコンバレーで挑戦する日本ベンチャーの先駆けとも言える山本氏がChatoworkのCEOとして学んできたことを共有してくださいました。
【スタートアップで経営者として成功するための心得】
1.小さな成功体験の繰り返し(自分ができることを形にする)
2. 原因自分論(周りで起きていることを他者のせいにしない)
3. 故障箇所の点検(何が機能していないのかを探る)
3. 新しい価値観に対応する力(違うレンズからものを見る、考える)
4. 適材適所(リソースも人も無駄にしない、補完し合えるシステムを作る)
【組織マネジメント】
1. 社員第一主義(社員がやりたいことをやらせることができる環境を整える)
2.パーツ組み合わせ(やりたいこと&やらなければならないことをバランスよく取り組めるようサポートする)
【スペシャリスト集団の育成】
1.自分たちの強みを見極める
2.お互いの強みを社の枠を超えて持ち寄り合うことにより、より良い質のサービスを展開する
▶︎午後のセッション:大学でチャットワークを普及させるためのアイディア出し
スタッフも加わり、総勢13人でブレインストーミングを開始。
はじめに:大学生活に登場する場所・人・モノ・ことをリストアップ
<ゼミ・サークル・生徒会・教室・授業・学園祭・アイセック・就活セミナー・就活相談所・研究室・学会>
その後:不便に感じていることを洗い出し
例)大きなグループでの情報共有:
・LINEやFacebook Messengerに頼らざるを得ない
・司令塔→小グループのまとめ役→個人というように、情報共有に手間と時間がかかる
・確定事項を共有するためのプラットフォームがない
次に:Chatworkのタスク管理機能が活かせる場面をピックアップ
現実的に実行できそうな案をいくつか絞り込み、 今後事業が実現した際にまたアイディア共有の時間を持てるようにしていきましょう!
▶︎続いて、2つ目のセッション
シリコンバレーで若き起業家として奮闘する戸村くんから、シリコンバレーの最近の傾向に関するお話を伺いし、ビジネスの展開戦略ややネットワーキングの重要性を再確認しました。
▶︎いよいよプログラムの山場でもあるピッチが始まります。
一人目は晴ちゃんによる『介護版Uber:ペルパ』
中学生の時にインドネシアで目の当たりにした『貧困』の現実。『貧困』が『貧困』として存在し続けてしまう社会構造、そしてそれを打破する新しい経済圏の確立や政策提言について考えてきた晴ちゃん。今回は、日本の貧困と高齢化社会に焦点を当て、人が楽しく生活する・生きることを可能とするプラットフォームを提案します。
介護市場の現状の課題は
①ヘルパー:低賃金、長時間・重労働
②被介護者:経済的な負担が大きい
↓
1)事業所が担っている役割を、『ペルパ』のアプリケーションで代替
2)設備費及び人件費を削減
↓
①ヘルパー:労働に見合った対価を獲得
②被介護者:経済的負担の軽減
続くQ&Aでは、
市場規模・事業形態・サービスの汎用性・チーム編成・プロジェクトに対するモチベーションなどについて質問がありました。類似したアプリケーションがすでに米国で存在していること、さらに日本でも同様のサービスを開始しようとしてるグループがあることが共有され、介護プラットフォームの需要と発展性が示唆されました!
▶︎2チーム目のピッチは人間モバイルWifiルーター『モビウス』
2020年の東京オリンピックでは2000万人の外国人観光客来日が見込まれていますが、より有意義な時間を過ごしてもらうためには、日本の絶望的なWifi状況を解決し、必要な情報をいつでも手に入られるようにしなければなりません。
現状の課題は、
①Wifiの普及率が低いこと
②SIMカードの入手情報などがわかりにくいこと
↓
個人が契約しているモバイルルーターを経由して、安定的かつ広範囲で観光客にWifiのアクセスポイントを提供することが狙いです。
現在モバイルルーターを活用している人々にデータ通信無制限のルーターを提供し、データの一部を観光客に解放してもらう。観光客は1ギガ1000円、3ギガ2000円などのパッケージを購入し、モビウスモバイルルーター利用者の圏内に入ると自動的にネットワークに接続される仕組みです。
Q&Aでは、
- 既存の類似サービス(競合他社)
- 提携するキャリア側の利益とインセンティブ
- モバイルルーターでWifiを解放する日本人側のインセンティブ
について言及するよう指摘されるとともに、『モビウスエンタープライズ(仮)』など、移動する人間だけでなく支店を多数所有する企業などに、Wifiスポットとして機能してもらうなど、ネットワークの安定的に共有する方法が話し合われました。
ピッチを審査してくださった山本さん、トミーさん、石田さん、戸村くん、貴重なご意見と的確なアドバイスをどうもありがとうございます。
▶︎帰宅後に本日のピッチ、いただいたフィードバックから学んだことを共有しました。
晴ちゃん:
事前調査が重要であることを再確認した(例:ヘルパーのインセンティブなど)
資料作りのテクニック(スライドにページ番号をふるなど)を学べた
クリス:
Chatworkの山本さんが引用した「マネジメントのバイリンガル」が印象に残ったが、自分は「バイカルチュラル」でありたいと思う。そのためには、まず米国の組織に挑戦したい。
かい:
ピッチに対して的確なフィードバックをもらえてよかった。
突き詰めて考える練習をしたい。
携帯キャリア会社と提携することを前提に計画をたてていたが、数値に基づいたデータなどその根拠を示すべきだった。
堀くん:
ピッチ内容に関して
技術に焦点を当てて、できる・できないを見極める視点は必要。自分は技術に集中し、ビジネス面ではそこに特化した人の近くにいることで役割分担できるのではないか。自分の興味を再発見できてよかった。
▶︎本日のもうひとつの大イベントは、 FacebookとInstagram訪問。
敷地内の複数の建物は飲食店や自転車屋、お土産ショップなどが存在するオープンスペースでつながっていて、一つの街(キャンパス)として機能しているよう。
巨大スクリーンの設置されたハッカーズ・スクエア。マイクザッカーバーグのスピーチが流れたり、社員みんなで映画鑑賞をしたり、様々なイベントで使用されます。
カフェの前に設置された卓球台、おもむろに設置された電話ボックス型ミニ図書館など、脳とクリエイティビティが刺激される工夫がいたるところに見受けられます。
Instagramが始まった倉庫を彷彿とさせる作りのオフィススペースは、壁紙は藍色で統一されており、オフィススペースは想像していたよりもシンプルな作り。キャンパスを案内してくれたのは、Facebook7年目のHoward Chenさん。ワシントン大学で情報学を専攻しFacebookに入社。現在はInstagramでソフトウェア・エンジニアとして働いています。
最後におきまりのあのポーズで!